激しい議論の中で、政務調査費(税金)での海外視察をするかどうかが問題となり、結局、OKとなった。すでに行かれた会派があったが、私は、これぞ政務調査費での海外視察だと言えるモデルになるような海外視察に行く事にした。が、但し… その視察にあたって、大きな命題をもって望もうと決意していた。それは…
- 各議員が政務調査費で行く事を、常に自覚する事。
- インターネットで分かるような海外の良い所の調査ではなく、行かねば分からない現状があり、行く事によって出来る人間関係の構築と地方都市外交の始まりをもって、神戸市が海外で活躍できるようにするための種を植えて行く事。
- インド・ミャンマーで視察をしたり、会見する人々へのコネクションは、参加する議員団各自の努力を結集して実行する。
→ これには大変な効果があって、役所や国や代議士に依頼すれば簡単なのだが、いわゆる視察の見学コース ─ つまり、お決まりコースになってしまう。それが、各自が努力すれば、人脈が集まり、民間人の苦労が分かり、民間から、議員がそこまで熱心なのかとの評価を頂けたりもした。 - 政務調査費を使用する事の自覚から、仲の良い議員ばかりでなく、むしろ対立している議員が行けば、相互チェック機能が生じる。
→ この思いから、みんなの党さんに声をお掛けしたところ、団長を含めて4人もの議員がご参加下さった。計10名の視察団であった。 - 政務調査費で行ったのだから、観光は無し。
→ 一カ所、インドで世界遺産に立ち寄っただけだった。あたり前のことだが、自費ですら、カラオケもマッサージも無かった。 - 出発前に各議員がテーマを決めて、大変な時間を掛けて、そのための勉強会を持つ事。
→ これは誇るべきことで、与野党を越え、同選挙区を越えて、目的意識を持ってご協力下さった。
これらの結果、各議員の考え方にお互いの理解が進んだ。逆に、合意できぬ部分があっても、その背景などから、お互いの立場が解った事も、収穫だった。
例えば、みんなの党の議員に、「貴方は環境局にうらまれていますね」と訊ね、「私は環境局を目の敵にしているのではないのです。どの局も同じ目線で見ています。でも何故か環境に関する情報が入るのです」と聞かされると、なるほど、各局同じ目線で質問をされていると分かる。きっと、この議員さんは、もともとセンスのある議員さんなので、もっと大きなテーマで長期的に政策提案して行くような、方向性を持った議員さんになってくださると思った。多くの議員が初めての海外視察だっただけに、良い経験をされたと思う。
思えば、私がかつて公務で行った海外視察は、大いに猛反省すべき事が沢山あった。良い方向に行っている裏で、アドバイスをしてくれる市会事務局の努力に敬意を表したい。皆さんにも是非、報告書をお読み頂きたい。