が、正直なところ、協定が守られたとは思っていない。地元周辺の人々が我慢強く容認してくださったので、工事が円滑に進んだのだと、私も思っている。住民の方々は「仕方がないから、こうなったら早く終わって欲しい」と願ったという。これは、大変気の毒だ。
▲想定されるケースを念頭に、慎重に
施設側からも、同じような施設が芦屋にあるので後日見学の機会を設けたいとの提示があるなど、話し合いは前向きに進んだ。
「一年に一度くらいは、連絡会を持って、お互いが友好な関係である為の努力をして欲しい。隣接する方々にとっては一生付き合うのだから、お互いに助け合えるようにして下さい」と私が提案したことから「連絡会は一年に一度、コーヒーでも飲みながら」となった。
最近は福祉の名を借りて「いい事をしているのだから」というように、思いあがった強引な業者もある。むしろ、パチンコ屋等の方が丁寧に話し合いをしている。とあるパチンコ屋は酒蔵地域を意識して、酒蔵風で建てたほどだ。高齢になったとき、住み慣れた町を離れずにケアを受けられるホームがそこにあることは、住民にとって長い目で見れば悪いことではなかろうとも思えるが、見たくもない景色がしじゅうう見えてしまうようでは、やはり辛かろう。
このような話し合いに参席して随分になる。住民側のエゴが強い場合も少なくないが、総じて、業者の方に配慮が足りない事が多いように思っている。資本主義の欠陥が出ているとでも言おうか…何か、補う手だてが欲しいところである。