▲献花に現場を訪れた翌日
貴方とは生前、一面識もないが、殉職後私は現場に花を供え、お別れ会に最後まで居た。議会の会派でも、東灘区の議員団も、皆が賛同してくれて、お見舞金の提案に至った。それは私の呼びかけではなく、貴方の果たした、勇敢で職務に忠実な行動が、人々の心を打ったから。私は、その心を打たれた一人に過ぎない。
阪神大震災の時、いろいろな役人を見た。職場放棄した役人、家族に負傷者や死人が出ても歯を食い絞って職務についていた役人…それらは、その人の持つ哲学なのだと思った。議員もまた、同じだ。▲7月6日、神戸市消防葬にて
企業にとって建築費が急激に増大するようなら法改正は避けるべきだという言い分を頭では理解しているが、一方で、速水力さんの殉職をきっかけに、国が何かの対策をしない限り、同じ事故が起こるとも思っている。私は貴方の為にも、消防士の為にも、訴え続けようと思う。
私は、貴方の殉職から多くを学んだ。貴方の上司は「議員。この頃はお陰さまで、火事が少ないのはいいのですが、逆に実践で学ぶ機会が少ないのです。技術の伝承が難しいのです」と言っていた。ならば、実際の訓練の費用を確保しなければなるまい。貴方の事は決して忘れないし、訴え続けていく。その約束を貴方と交わし、今を持って、私と貴方の本当の告別式としたい。
貴方の勇気は、市民の為に尽くされた、市民の為に生きた貴方は、市民の為に死せり…