嬉しくて、普段着の水色のジーパンに赤いシャツ、紺のブレザーで出かけた。私がうなぎとお願いしたので、久方ぶりの三宮の、とある高級店で祝って下さった。皆さん70代半ばで、気が合う。
藤井さんは私と同じ兵庫高校で、私が一学年先輩だが、事実上は私がいろいろ教えて頂いている。岡田さんは私のアメリカ留学時代のルームメイトで、大変お世話になった。
お二人とも、成功者と言って良いだろう。藤井さんは現在、ラーメン太郎とショコラリパブリックの社長。初代で立ち上げ、不動産も各地にお持ちの大成功者。岡田さんは、関東のあの高級リゾート、逗子マリーナを開発した会社の、二代目だ。藤井さんは、私が議員になる前からの相談相手。もしもう一度生まれ変わっても友人でいて欲しいと思う程、私が信頼している、賢くてやさしい男だ。群れをなさず、一人でいても平気だが、友を大切にされる。
三人の間には、他界してしまったが、兵庫高校の同級生で
神戸市の都市計画のセンスについても、指摘された。トアロードにしても北野坂にしても、センスが無い。自転車置き場より、代表的なロードにふさわしいデザインを考えるのが良い、と。そうして、藤井さんからも岡田さんからも、「世界じゅうの、デザインの優れた町からパクればいい。だが、そのパクリにもセンスがいるから、役人ではだめだ」との御意見を頂戴した。
お二人とも、神戸をこよなく愛している善良な市民だ。私は、真剣に聞いた。私も提案したりしての楽しい会話が、二時間ほども続いた。
後は二次会で、岡田さんに誘われてスナックへ。彼は神戸が大好きで、東京の事業を整理して、人生の最後を神戸にかけて下さった。成城大学でグリークラブに所属していたほどの音楽好きで、昔、神戸の良い歌が少ないと心配して、彼自ら作詞した「神戸・愛の
岡田さんは、「こんな素敵な神戸だから、歌になった。もっと神戸に来て欲しい」と仰るが、コウベのような三音の地名は、作詞も作曲も難しいらしい。
そのスナックに飾ってある歌手のポスターの前で、二人で写真を撮った。75才を超えた三人が、神戸の為に子供の様に熱くなった。
最後に、藤井さんご提案のように、神戸空港から三宮に向かうポートアイランドのメインロードをセンスのある道に変えるよう、頑張ってみようと思ったのだった。