仙台市では、
福島県と相馬市では、震災から現在までの復興状況と、今後の取り組みについて、及び、農産物における原発事故の風評被害の影響について、話をうかがった。ここで各議員が注目したのは、原発事故による風評被害だった。
私も、それが気にかかった。2013年12月27日(金曜日)のブログで、『助長するな、風評被害』と題して、福島の原発事故による風評被害について書いていた。
それは、私と古い友人であり、少年野球のボランティアを30年もやって下さっている大内博さんの息子さんが福島県庁に務めておられて、昨年のお盆に神戸市東灘区の父親の所へ里帰りした折、福島県の農産物がどのように扱われているのか、近所のスーパーマーケットに行ったところ、福島県産のキュウリがお供え物となっており、隣の北海道産が食用となっていたのを見て、残念がって父親に訴えた、という話だ。当時はご本人の名を伏せて書いていたもので、かなりのヒットを得ていた。だから、今回、長田区選出の平井真千子政調会長が、偶然にも、福島県の風評被害を調査項目に入れてくれていたのは、嬉しかった。
福島県でうかがった話によれば、米に関しては、平成25年から全ての米を検査しているものの、平成26年3月31日現在、基準にそぐわない米は0.00026%と、ほぼ皆無に等しいそうだ。検査済みのシールを貼っているものの、売り上げはまだまだだという。
一方、出荷を制限している野菜は、わさび・エゴマ・ウコギ・唐辛子等で、それも一部市町村に限られている。果物も同じく、一部市町村のみで、梅・びわ・ユズ・柿・キウイフルーツ等である。風評被害を被っていると思えるのは桃で、震災前の段階まで回復していない。同じく、牛肉も回復していない。しかし、和牛・子牛の取引価格は、やっと回復してきたそうだ。
▲ 大内さんと
私は、彼の上司である佐藤新太郎課長に、
「福島県の農産物について、差別しているスーパーマーケットや地方の中央市場等に対して、理解を求めるために抗議するなど、訴えているのか。また、中央市場の『消費者が買ってくれない物を、我々が買う訳にはいかない』との反響については、どうしているのか」と聞いたところ、その辺が最も核心をついていて、
「福島県の応援団を増やすしかない。『福島県の産品は、安全で、安くて、おいしい』と、PRして欲しい。スーパーや中央市場に対しては、各々にするのでは無くて、農林水産省を通じてやっている」との事だった。また、諸外国に対しては、外務省を通じてしているそうだ。
平野議員が、
「放射能の検査をやめなければ、イメージが残ってしまい、いつまでも意識され続けてしまう、といった懸念はないのか」
と質問すると、
「私たちがそう思っていても、国の方針と法で定められている今は、99.99%、世界一厳しい基準よりはるかに下回っていても、仕方が無いのです」
と仰る。
この話を聞いて、私たち自民党神戸市会議員団は、全員が「福島県の応援団になる」と誓った。そしてそれは、大内父子がつないだ縁でもあるのだった。